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一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部・研究科

FACULTY

教員紹介

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高野 佳佑 KEISUKE TAKANO
ソーシャル・データサイエンス研究科 講師
専門分野
GIS(地理情報科学)
INTERVIEW

インタビュー

ソーシャル・データサイエンス学部・研究科の魅力
データ分析や情報科学に関する知見と、経済学や経営学をはじめとした社会科学に関する幅広い知見を両輪で身につけられることが魅力だと思います。高度かつ複雑な統計手法に基づく分析であっても、広く流通した廉価な(もしくは無料の)統計ソフトを用いて手軽にできる時代が昨今訪れています。しかし、分析対象としている物事に関する学術的あるいは実務的な知見がなければ、得られた結果の妥当性を評価したり、学術上・実務上有益な示唆を導いたりすることは困難です。その意味で、社会経済に関する背景知識に基づきデータ解釈ができる人材の育成に重点を置いたSDSの教育体制は強みがあると言えます。また、社会実装という面にも力を入れている点が特徴的です。特にPBL演習という科目では、様々な企業の方や政策立案に取り組む方との関わりを通じて、普段の講義や演習で学んできた事柄が実務の面でどのように生かされるのかを学ぶことができます。
ソーシャル・データサイエンス学部・研究科で進めたい教育・研究
私が教育上重要と考えているのは「守破離」という概念です。データ・サイエンスは日進月歩であり、新たな統計・機械学習モデルの選択肢も増え続けています。一方、問題意識を明確化し、既存の学術的・実務的知見を踏まえた上で自身の分析が持つ付加価値を見出し、目的達成上最も適した手法を選択し分析を行った上で、その成果を分かりやすく簡潔に発信するという基礎的な取り組みが徹底されていない限り、いくら高度な分析手法を用いたり貴重なデータを用いたりした分析結果であっても、その価値は著しく損なわれます。かくなる問題意識の下、私の講義では統計分析の基礎力の涵養に加え、こうした学術研究に取り組む上での基本的な心構えとその実践方法の習得に重点を置いています。加えて、地理情報科学に根差した様々な経済分析に取り組み、その成果を学術研究として形にしていくと同時に、得られた知見を教育の場面へ還元していきたいと考えています。
MESSAGE
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MESSAGE
学生へのメッセージ
大学における学びの形は昨今、学生同士あるいは学生と教員(時には実業界の方々)間の様々な議論や協業に基づく能動的学修のウェイトを高める方向へ移り変わりつつあります。SDSは、データ・サイエンスを共通の基軸とする様々な人との関わりを通じて、こうした能動的な学びに全力で取り組む上で絶好の環境であると考えています。各々が持つ専門的知見を持ち寄り、仲間と共にひとつの大きい成果を生み出していくプロセスでは、大変なことも多い反面、楽しいことや学べることも沢山あると思います。こうした経験は、社会人として今後生きていく上での働き方の基礎を築く上でとても重要です。また、グループワークや研究室配属を通じて出会う同期・先輩・後輩は、社会人になった後も打算無しで交流し励まし合える貴重な仲間になります。専門的知見・技術の涵養に加え、様々な人との交流の機会を大切にしつつ、学生生活を送っていただければと思います。
CLASS

担当授業科目

  • 空間・不動産データ分析
  • 多変量解析
  • (院)統計分析発展(実践)
RESEARCH

研究内容

私の研究領域は地理情報科学(Geographic Information Science; GIS)です。GISは地理空間上にある四方山の事象をデータや数理モデルに落とし込み、分布や事象同士の関連性を分析する領域です。その中でも私は特に、人口や産業のような経済活動の集積や、場所の間での経済活動の移動が生じるメカニズムを、様々な対象や地域、あるいは時代のデータを用いて検証することに取り組んでいます。例えば、企業の集積や企業間取引の空間分布に関する実証分析にこれまで重点的に取り組んできた他、最近では通学行動に関する研究にも着手しています。空間データは昨今、オルタナティブデータの経済分析における活用という潮流の中で注目を集めています。一方、空間データを扱う上では、一般的な表形式のデータとは異なるハンドリングの専門知識や技術が必要となってきますので、空間データの解析を円滑に行う方策に関する検討にも取り組んでいます。また、地理的に近い物事同士が類似した傾向を持つという性質を考慮した分析は、その正しい扱い方を習得していれば、データの背後にある様々なメカニズムの解明や、経済活動に関する様々な予測の精度を改善する上で極めて有意義な知見を与えてくれます。私は特に、空間統計学と呼ばれるアプローチや、重力モデルに代表される空間相互作用モデルなどを用いて、経済活動の空間分布に関わる様々な問いに答える研究に取り組んでいます。
キーワード
  • 地理情報科学(Geographic Information Science; GIS)
  • 都市・空間経済学
  • ミクロ計量経済分析
TOP FACULTY 高野 佳佑